丸亀製麺は、丸亀のうどん屋ではありません。他県のトリドールという会社が「丸亀」を名乗って、チェーン展開しているだけです。丸亀市に、店舗は1軒もありません。

ただし、丸亀市とトリドールとの間で包括連携協定が結ばれ、寄付や地域活動、あるいは他県での広報活動などを相互に行うことによって、両者の手打ちは済んでいます。トリドールさんは、まじめな会社なんだなと思います。

しかし、丸亀市民の皆さんはどう思っているのか。反感を持っていないのか。丸亀製麺の味が丸亀の味だと思われることが不本意ではないのか。それが気になっていました。丸亀に行く機会があったら、ぜひお伺いしたいと常に思っていました。

そういうわけで、先日の丸亀の旅は、その千載一遇のチャンスだったわけですが、「絶対にスマホや財布を失くさない!」という警戒感が先立ってしまって肝心なことをすっかり忘れ、思い出したのが旅も終盤の「ぽかぽか温泉」でのこと。あわてて何人かの市民の方に伺ったその答えが、以下のようなものでした。

・特に何も。丸亀にはもっとおいしいうどん屋さんがあるのにな、ぐらいにしか思いません。
・反発している人もいますけどね。私らはどうってことないです。人それぞれ、好き好きですから。

意外なほどに、みなさん現状をさらっと受け止めていて、どうぞご自由にというおおらかな心で丸亀製麺を見ているのではないかと感じました。そして、旅をしながらその言葉を頭の中で反芻しその意味について考えていて、最後にある大切なことに思い至りました。

確固たるうどん文化を持ち、一鶴を持ち、精神的支柱としての丸亀城を持つ丸亀市民の歴史観と食文化は、丸亀製麺が「丸亀」の名を使ったぐらいのことではびくともしないということ。

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ああ、本当においしかった丸亀「中村うどん」。丸亀に行って体感しなければ到達できない奇跡体験です。

ブラボー丸亀。

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