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寝苦しい夏の夜伽にと図書館で借りてきた本。「大人が読みたいアインシュタインの話」。

この本の著者の物書きとしてのセンスはすばらしいと思います。わかりやすくおもしろい。それはさておき。

アインシュタインの相対性理論。移動する物体や音(波動)は、同じ方向に同じ速度で動く立ち位置から見ると、見かけの速度はゼロになる。これに対し光は、同じ速度で走ってもそれを越えてはるか先に行ってしまう。これはつまり、光のように高速で動くものでは、速度は同じでも時間が遅くなるからだ。

一般的に、「速度」は「距離÷時間」で求められる。実際、光の速度は秒速約30万kmと決まっている。しかし光が見せる特殊な運動について、アインシュタインは言う。「距離や時間が絶対的だと思うからつじつまが合わなくなるだけで、条件によってはそっちが変化すると考えれば問題無い。つまり、光速だけが不変で、それに合わせて時空の方が変化するのだ。」

何言ってんだかさっぱりわからない

1960年代の終わり頃、全国の学園を席捲した全共闘運動。その総本山というべき東大全共闘の代表格で、のちに全国全共闘の議長に就いたのが、山本義隆。山本は、ノーベル賞間違いなしと言われた、東大の物理学研究者だった。しかし、全国学閥の頂点に立つ東大は民衆の上に君臨するものであってはならないという「大学解体ー自己否定」の立場に立ち、運動を主導する。山本の挑戦は短期間でついえたのだけれど、彼のノーベル賞級の物理学者を目指した光速運動は、全共闘運動と「自己否定」という時空の変化によって変質し、民衆の上に君臨しない学習塾の講師という人生へと帰着していった。

日本史上もっともかっこいい男のひとりだと、わたくしは思います。

てな感じで、アインシュタインの相対性理論でさえ文系的にしかとらえられない、100%文系のわたくしであります。

(敬称略)

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