ある若い娘が、牛丼が食べたくなって滋賀県の吉野家にひとり入ったら、先客の男衆の好奇の目にさらされ、嫌だったという。もう行かないという。

つまらん世の中だと思うが、それはちょっとだけ違う。その目は、好奇の目ではなくて、おそらく羨望の目だ。旧態依然がんじがらめの街に吹く、新しい風をかっこいいと思う心だと思う。

いつの世も、時代を変え歴史を作るのは、たったひとりの「当たり前」を覆す行動だ。

吉野家で一杯の牛丼と相対し、牛肉と玉ねぎとご飯と寂寥感をごちゃまぜにして喉に押し込みながら、明日からまた頑張ろうと思う楽しみ方は、男だけの特権ではない。女が吉野家にひとり座ることが、当たり前になる世は必ず来る。

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