先日「そば処 観空」におかしらとおじゃました時に、店主殿と三人で、蕎麦屋のもっともスタンダードな料理の名称について討論していたのですが、後日ちょっと歴史を調べてその結果をおかしらにメールしました。

以下その転載でございます。もし事実と違っていたらすみません。

歴史的にいえば、最初に蕎麦を皿に盛って出した、これが「もり」。
その後、蕎麦を竹ざるに盛る店が現れ、当時高価だったみりんを加えた高級つゆとセットにした。安価な「もり」と差別化するため「ざる」と称した。そのうち両方扱う店が現れ、外見を区別するために「ざる」に海苔を乗せた。しかし、わざわざつゆを変えるのもめんどうな話で、しだいに両者は統合され、区別する指標は無くなっていった。

さて、竹ざるに盛った「ざる」だが、出前の時に重ねやすいように蒸籠に盛るようになった。これを「せいろ」という。しかし、中身一緒なのに呼称が違うのも紛らわしいので、「ざる」の呼称が踏襲されることが多かった。そのうち両者の区別は曖昧になり、器で呼び名を変える慣習も薄れていった。

今では、店主が「もり」と言ったら「もり」、「ざる」と言ったら「ざる」、「せいろ」と言ったら「せいろ」というだけのことになっている。

ところで、昨年末惜しまれながら閉店した「花野」では、「せいろ」名を採用していた。理由を店主に尋ねると、「器の名前ではなく、二番粉のことを『せいろ粉』といいます。うちでは二番粉で蕎麦を打っているので『せいろ』名でお出ししています。」とのご返事。

蕎麦は奥深く幅広い。

以上。

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「細谷川」では「もりそば」。

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「藤正庵」では「ざるそば」。

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「立身」では「せいろ」。

嗚呼、蕎麦いいですねえ。


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