菊池桃子さんの発言が話題になっているようですけど、難しい問題であるにせよ、自治会もしかり民生委員もしかり、制度や役職が先にあって成員がそれに合わさせられている、一部の成員にばかり負担がかかり、役員改選のたびに成員間に軋轢が生まれ仲が悪くなる、というきらいがあるのも事実だと思います。しかし、それを変えようとするのも、変える役員の負担が大きすぎ、歴史がある組織であればあるほど困難を極めます。

民生委員の任期も2年5カ月が過ぎようとし、いよいよ次期民生委員を選任する動きが始まってきました。
ぼくは、1期3年しかしないという約束の上で就任してますし、こんな仕事現役世代のイチゴ農家にできるわけありませんので、「意向等調査票」の「非継続」に丸をつけました。しかし、その下には、次期候補者の名前を書く欄があります。

前回の改選時、たまたまぼくが自治会長だったから、次期民生委員探しを任されました。自治会内の候補者を探して探して説得に当たりましたが、誰も首を縦に振ってくれず、万策尽きて泣く泣く自分の名前を書いたという経緯があります。ですから、めぼしい候補者にはすでに断られているわけで、今回も次期民生委員選任は、難航必至です。

探す方も大変だし、民生委員になる方も大変です。自分の大事な時間を望まぬことに費やさせられ、うまくいかなければ心無い人から責められる。こんなつらい仕事を、他の自治会員に押し付けたくないので、ぼくはある作戦を立てていました。すなわち、民生委員探しを行政にお返しするという作戦です。他の地域ではそうしているところもあると聞いたので。行政が探しても引き受け手がいないのなら、仕方ないじゃないですか。正々堂々、欠員にしましょうよ。

しかし、いざこの段になって、事態はそう簡単ではないことを思い知らされました。実は、民生委員選任の最終責任は、地域内に任命してある「推薦人」が負うことになっているのです。つまり、自治会が民生委員を探せなければ、その推薦人を苦しめることになる。すべては住民の互助機能に任せてあって、結局は住民の誰かが負担を強いられ、制度の側は傷つかないような仕組みになっているのです。

ぼくが欠員を主張すれば、その推薦人の方と軋轢が生まれます。かといって、誰かに民生委員就任を強要すれば、その人から恨まれます。でも、継続は絶対に嫌です。探してくれるのは、現自治会長です。自治会長の負担を思うと、心が痛みます。どうしたらいいのでしょうか。

多くの民生委員の方は、地域のことを思い、忙しい中でもすぐれたボランティア精神を発揮して駆け回っておられますので、ぼくがこんなことを書いてその方々を傷つけてしまうのは本意ではありません。だから、ごく一部の仕事ができない不良民生委員の愚痴だと思って、読み流してもらえれば幸いです。

菊池桃子さんのPTA発言は、諸刃の刃です。でも、その発言の波紋の行く先に、いい解決策が見つけられていくことを願ってやみません。