もうかれこれ十数年前、岡山農業改良普及センターが旧邑久町に支所を持っていた頃、同センターの稲作担当としてこの地域の指導に当たってくれていたＦ氏。そのＦ氏が突然、久しぶりにうちのイチゴハウスを訪れました。

仲の良かった人だったから、とても懐かしく、こういう時は一流の軽口で迎えるのが常道だと考え、「どうしたんですか？もしかして、普及センターをやめて農民になったという報告ですか？」と、冗談で笑いを取ろうとしました。

そしたら、それは図星でした。３月で退職し、実家の農業を引き受けるという。にわかには信じられず、しつこいぐらい問うたにもかかわらず、彼は話を翻しませんでした。

公務員をやめるのですから、周囲からの雑音も多かっただろうと想像されます。でも、五十過ぎてからの選択だし、十分に家族への責任を果たしてからの転身ですからね。誰にも有無を言わせない、積年の一方ならぬ思いを感じました。

それぞれの人生なので、わたくしのようなものがつべこべ論評するような事柄でもなく、頑張ってもらうしかないわけですが、好き嫌いでいえばこういう感性大好きですね。これ食べて生きていきたいぐらい大好きです。

近いうちに、おかしらと一緒に歓迎会でも開こっかな。

♪ 昨日の夢に住んでいられずに　明日の愛をもう待ちきれずに
　君は飛び出すまだ見ぬ海へと　そうさそいつが青春の旅だ