章姫
石垣イチゴの久能早生×女峰。静岡の萩原章弘さんが育成し、1992年に品種登録した比較的新しい品種です。
果実の特徴は、まずデカい。栽培条件にもよりますが、各果房の頂果は60g~100g程度の特大果になります。2番果房以降を1芽管理にし、摘果を5~6個ぐらいに絞ってやれば、栄養状態がよければすべての果実が20g以上の大果になるというすごい品種です。
果形がちょっと細長いことで知られています。色は真っ赤。光沢を持った赤で、とても美しい。生産者の間では「べっぴんさん」の部類に入っています。果皮がやわらかいのも特徴です。
ナチュラルでコクのある甘さの品種です。酸味はほとんど感じられません。酸味のメリハリが無いので、章姫を食べて少し淡泊に感じられた方もおられるかもしれませんが、メリーベリーでは独自の肥培管理で濃厚な甘みを実現しています。ぜひお試し下さい。
数あるイチゴ品種の中でも、最高の品種だと思います。
促成栽培
言うまでもないことかもしれませんが、ビニールハウスを利用した促成栽培でイチゴを作っています。イチゴは本来冬期には休眠し、春の訪れを待ってから、開花・結実します。これを、ビニールハウスなどで保温加温し、または電照などを使ってイチゴ株を休眠させないようにすることにより、年内から収穫できるようになりました。この促成栽培の普及によって、収穫期間が長くなり、品質も格段に向上して、生業・産業としてのイチゴ作りが可能になりました。
土耕&不耕起栽培
メリーベリーのイチゴは、水耕や高設の少量培地耕ではありません。堆肥を施して土作りをした”地球”にしっかりと根を張り、岡山県南の豊富な日照をたっぷり浴びて育ちます。高設栽培などいろいろ研究してみましたが、僕はやっぱりこの作り方でできたイチゴが一番好きです。作業姿勢はつらいんですけどね。
作業性の改善のために、うねののり面を板で垂直に固定した「うね固定方式」を考案・導入しています。このまま毎年の耕起・うね立てを省略し、表面を小型トラクターで10?ほど耕起した後、定植します。浅根性のイチゴにはこの「不耕起栽培」が適しているようで、いいものが取れます。
JAHT農法
イチゴ栽培には十分な追肥が必要です。メリーベリーでは、元肥の窒素成分は完全有機とし、追肥としてJAHTの有機配合液肥を使用しています。中でも、この「ランセットN」は、日本でも有数のアミノ酸配合量を誇る最高級の液肥です。これをメインに惜しげもなく使い、他の3要素やMg、Ca、微量要素等をバランスよく与えて、品質のよいイチゴ作りに努めています。
一芽管理と摘果
いくらいい肥料を与えても、それがちゃんと吸収されて果実の充実に関与しないと意味がありません。そのためできるだけ手を入れて株の管理をし、期間を通じて一芽管理ができるよう摘芽を行い、また強い摘果を徹底します。可能な限り果実数を制限することにより、それぞれの果実に栄養分を行き渡らせ、大きくて甘いイチゴを作っています。
全量産直
メリーベリーのイチゴ出荷箱には、卸売市場に出荷する際に必要な、生産者名や品種、サイズ等を表記する欄がありません。すべてのイチゴは市場を通さず、直接お客様に買っていただいたり、自然食品のお店に並んだり、レストランの料理を彩ったりしています。
お客様とは顔の見える関係を築けるように心がけています。商売をさせてもらっていてもその方が断然楽しいし、より一層いいイチゴを作らなきゃ!という気持ちになります。全量産直だから、おいしいイチゴじゃなければ次からは買ってもらえないという背水の陣。えらいこっちゃ。
農薬について
顔の見えるお客さんに食べていただくものだから、できるだけ農薬の使用量を減らしたいと考えています。特に開花期以降は、「スパイカル」や「アフィパール」などの天敵資材や、「粘着くん」「ハーモメイト」といった無農薬栽培用の資材で対応し、どうしても抑えきれないときのみ化学農薬を散布させてもらっています。
こんな感じで、でかくてうまいイチゴを、出来るだけ安全にお届けできるように日々頑張っております。