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よくTVとかで、東京の江戸前寿司で有名人が握り寿司を手で掴んで醤油につけ、口に運んでいるシーンを見かけます。ぼくは、あれ、手が汚れるのに何故わざわざ手で食べるのか。お箸でいいじゃないかと思っていたんです。通ぶって、粋がってやってる変なおじさんたちだと。

 

ある日、妻と握り寿司について討論していました。

ぼくは、握り寿司は箸でつまみ、そのままシャリ面を醤油につけて食べます。しかしそれでは、ネタに醤油がつかないし、シャリの多くの部分に醤油がしみ込んでしまい、シャリの食感を悪くしてしまいます。

これに対し、妻は(わが子もそうでしたが)、お箸でいったんネタを寿司から外し、醤油につけて再び戻し、もう一度お箸で寿司を持ち直して口に入れる。しかしこれでは、職人さんが寿司を芸術的領域まで高めて成形した握りの形を、一度崩壊させてしまい、口の中でネタとシャリが別物になってしまいます。

 

うーむ、この両者の良さを縫合する画期的な食べ方はないものかと頭をひねったその時、僕の脳内に閃光がひらめき、わけのわからない数式が30回転ぐらいして、すべての謎が解けました。

 

そうだったのか。あの江戸前寿司の手で食べる食べ方こそが、完璧に成形された握り寿司をそのままに、ネタ側に醤油をつけて食べられる理想的な食べ方だったのだ。これを粋と言わずして何と言うのだろう。しかも、これならば、視覚や味覚だけでなく、触覚も使って握り寿司を楽しむことができる。さすが、江戸前寿司の本場、江戸っ子だと言わせてもらおう。

 

となると、最近「スシロー」や「無添くら寿司」で始まり定着している、醤油容器から直接握り寿司の上に醤油を落とすスタイルも、実は理にかなった食べ方ということなのでしょう。

 

握り寿司を甘く見ておりました。恐れ入りました。