この前の日曜日のこと。
夕方5時頃、父(私)は「寿司でも買ってくるわ」と家族に告げて家を出て行った。それっきり、待っても待っても帰ってこない。子どもたちは腹ペコになり、冷蔵庫にあるもので飢えをしのぐ。それでもまだ帰ってこない。とうとう蒸発したかと家族があきらめかけた頃、玄関のドアが開いて、父が憔悴しきった様子で帰ってきた。手に提げているのは、コンビニ弁当だった。
以下、父の証言。
まず、私は海鮮丼を買おうと思ってBASICに行ったんです。そしたら寿司のコーナーはすべて売り切れで何もありませんでした。
仕方がないので、イズミに行きました。でも、イズミの寿司のコーナーにはいつもの¥698のにぎり寿司が無くて、変な正方形の容器に入った¥880もする寿司しかありませんでした。しかも内容は乏しくて、これで¥880は納得がいきませんでした。せめて半額なら許そうと思って、値下げになるまで店内をウロウロ。しかし、どれだけ待っても値引きの様子はありません。
あきらめて、西大寺のハピータウンか小僧寿しでも行ってみようと思って車に乗ったんですが、やっぱり西大寺は遠すぎるので、市内の寿司友で握ってもらう事にしました。しかし、お店の前まで行ったら、いろいろ頼むと時間がかかりそうな気がして、店に入る勇気が無くなってしまいました。
再びイズミへ行きました。そしたらなんと、¥880の寿司は数少なくなっているし、一緒に買おうと思っていた巻き寿司やいなりは完売です。愕然。これでは、子どもたちに寿司を買って帰れない。
一縷の望みをかけ、大勝負に出ました。長船のマルナカまで走ったんです。子どもたちは腹ペコのはずなので、大急ぎで車を飛ばしました。しかし、必死の形相でたどりついたマルナカの寿司売り場は空っぽ。呆然と肩を落としました。
もう、タイムリミット。さすがの私も、今日は寿司を手に入れることはできないことをさとりました。仕方なくほっかほっか亭に行ったんですが、行列ができていたのでここもあきらめました。総菜屋の美味彩菜に寄っても、弁当は売り切れでした。とうとう最後は、コンビニで弁当を買うことになってしまったんです。
寿司を買ってくると豪語して出て行った父の威厳は、ここに失墜しました。妻子に合わせる顔がありませんでした。
日曜日にお持ち帰り寿司を購入するのは、場合によっては困難を極めるということを学びました。