この前、県立図書館で、昔読んでいた詩集をいくつか借りてきて、読んだりしているんです。

北川冬彦とか、伊東静男とか、立原道造とか、伊藤整とか。

高校生の頃、受験勉強の意味がわからなくてバカバカしくて、厭世気分でいっぱいで、才能もないのに詩人になりたくて、伊藤整の「雪明かりの路」「冬夜」という詩集を持ち歩いていました。

   もう一度

みんながあの日の服装で
あの日の顔つきで 落葉松の緑が萌えている道を
笑ひながらもう一度やって来ないかな。
そのときこそは間違ひなく
本当に生き直したい。
あの過ちをすべて とりかへしたい。 (伊藤整「冬夜」収録)